動詞と過去分詞を組み合わせた重要表現の第二弾です。完了形です。
完了形
haberの活用形+過去分詞=完了形となります。見覚えがあるなあと思った方、さすがです。3人称単数形が2種類あるレアな動詞としてhaberを紹介したとき、少しだけふれた用法ですね。完了形を作るhaberは、かなり不規則ではあるとはいえ普通の動詞らしく活用するとお伝えしました。he-has-ha-hemos-habéis-hanですね。hay以外の一式、とでも言えばよいでしょうか。
今回のテーマである完了形は、簡単に言えば、2つの時点にまたがる時制です。2つの時点を、時間的に早いほうから時点①・時点②とすれば、時点①に行われた行為の結果を、時点②に関連付けて述べるものです。現在完了形の場合、過去のある時点を時点①とし、現在を時点②とします。現在完了形の用例は以下のとおりです。英語の完了形と似てはいますが、スペイン語ならではの部分もありますので要チェックですよ。例文とともに見ていきましょう。
〇ある行為がすでに完了し、その結果が現在に及んでいることを示したいとき。
Ya he preparado la cena. I have already prepared the dinner.
…すでに支度が済んでいるので現在は手がすいている、など。
Ya has aprendido esta parte. You have already learned this part .
…すでに学習したので現在はその内容をよく理解している(はず)、など。
〇現在までの経験や継続的行為をあらわすとき。
El ha estado una vez en España. He has been to Spain once.
…「スペインに行ったことがある」。経験について述べている。
Los japoneses han celebrado varios festivales estacionales.
Japanese have held various seasonal festivals.
…「現在までずっと執り行ってきた」。継続的行為について述べている。
〇現在を含む時間単位内で起こった出来事をあらわすとき。
Hoy he estudiado bastante. Today I (have) studied enough.
…hoyという表現からわかるとおり、現在を含む時間単位内の話をしている。ちなみにestudiarはaprenderの関連動詞。
Esta mañana hemos charlado mucho. This afternoon we (have) chatted a lot.
…esta mañanaという表現からわかるとおり、現在を含む時間単位内の話をしている。esta semana・este mes・esta primavera・este añoなどが添えられる場合も同様である。ちなみにcharlarはhablarの関連動詞。
3つめの用例はスペイン語の特徴的な部分です。たとえ過去の話でも、現在を含む時間単位をあらわす副詞(句)が添えられていれば、過去形ではなく現在完了形を用いるのですね。英語ではニュアンス次第でどちらでも可といったふうですが、スペイン語では現在完了形を用いるのが普通です。もちろん例外はありますよ。
最後に、例文中の過去分詞を見て気づいたことはありませんか。変化していませんね。完了形を作る過去分詞は性数変化を受けないのです。一方、前項でお伝えしたとおり、受動態を作る過去分詞は形容詞のように性数変化します。しっかりと区別しておきましょう。