Lección 014 動詞と分詞で作る重要表現【2】

 

前項では、動詞と現在分詞を組み合わせた重要表現、進行形にふれました。ここからは動詞と過去分詞を組み合わせた重要表現を見ていきましょう。まずは受動態です。

 

受動態

serの活用形+過去分詞=受動態となります。be動詞に相当する動詞と過去分詞の組み合わせで、英語の受動態とよく似ていますね。動詞serを使った受動態の文は、大きく分けて3つの要素からなっています。①主語②「serの活用形+過去分詞」つまり受動態の動詞③前置詞porの後に続く行為者、この3つです。例えば…

 

         ①                    ②                     ③

El desayuno / es preparado /  por el cocinero.   

The breakfast is prepared by the cook.

 

…といったふうです。全体の構造も英語の受動態とよく似ていますね。過去分詞preparadoの元になっている動詞はprepararです。名詞el cocineroが文法上の行為者で、受動態の文の中に行為者が明記されている場合には、前置詞porがそれを導きますなお、受動態を作る過去分詞は主語に応じて性数変化します形容詞っぽいですね。実は、受動態を作る過去分詞は「動詞性形容詞」とも呼ばれ、形容詞とよく似た働きをするのです。例文を見てみましょう。

 

Los alumnos son preparados para el examen por los profesores.

The students are prepared for the exam by the professors.

 

La fiesta es celebrada por la familia de María.

The party is held by Maria’s family.

 

Las conferencias son celebradas por el gobierno.

The conferences are held by the government.

 

過去分詞に注目です。los alumnosに応じてpreparadosに、la fiestaに応じてcelebradaに、las conferenciasに応じてcelebradasに、それぞれ変化していますね。

 

ところで、前々項で実施開催の「ある」を扱ったとき、3つめの表現である動詞celebrarを用いるなら「現段階ではnosotrosやellosを主語にしておきましょう」とお伝えしたのを覚えていますか。上記2つめと3つめの例文が、お預けになっていた用法、つまりイベント自体を主語にした用法の例です。serの活用形と過去分詞を使って受動態にすればよい、ということがわかりましたね。

 

受動態の文で頻出する前置詞porは、相当にカバー範囲の広い語です。今回のようにbyに相当することもあれば、for・through・aroundなどに相当することもあります。すでに紹介した前置詞enと双璧をなすほどのマルチさを持つ、必修前置詞のひとつですよ。

 

さて、ここでひとつご注意を。実は、スペイン語には受動態が2種類あります。今回とりあげたserの活用形+過去分詞はそのひとつなのですが、かなり固い表現であることは否めず、日常会話ではまず用いられません。後出しで申し訳ありません。もうひとつの受動態のほうがより自然で一般的です。詳しくは後々解説しますのでお待ちください。

 

次項では、過去分詞を使った重要表現をもうひとつとりあげます。