Lección 004 be動詞に相当する動詞【1】

新しい言語を学ぶ人がなによりもまず習得すべき動詞、それは英語のbe動詞にあたるものでしょう。実際、英語の授業でまず習ったのはam・are・isだったはず。be動詞はトップバッター的な存在と言えます。

ところが、日本人がスペイン語を学ぶ時は、この重要な動詞が後回しになりがち。理由は2つ考えられます。まずひとつめ。スペイン語にはbe動詞にあたる動詞が2種類あるのです。英語しか学んだことのない人にとっては、これだけでも「?」でしょう。そしてふたつめ。なんという巡り合わせか、その2つが2つともアウトロー的存在、すなわち不規則活用動詞なのです。動詞のトップバッターとして取り上げるのは少々厳しい、という判断になるのも無理はないでしょう。

一方、英語圏などでスペイン語を学ぶと、この点まったく遠慮がありません。しょっぱなからbe動詞にあたるものを取り上げます。スペイン語の根っこにあたる、非常に重要な動詞だからです。というわけで、何回かに分けてじっくり見ていくことにしましょう。

ご存じのとおり、英語のbe動詞は大きく分けて3つの概念を表します。

(1)主語の属性・性質  (2)主語の状態 (3)主語の所在です。スペイン語にはbe動詞にあたるものとしてserestarの2種類が存在し、serが(1)の半分を、estarがの残り(1)半分、(2)(3)を担当します。分担がひどく不公平な気もしますが、なぜかそうなっているのです。(1)の半分とは何を意味するのか、この点は後に詳述しますのでお待ちください。

ではまず、2種類のうちひとつめ、serを活用してみます。

英語スペイン語ser
Iyosoy
youeres
heél es
wenosotros somos
youvosotros sois
theyvosotros son

ほとんど原形を留めていませんね。これぞ真正の(?)不規則活用動詞、と言ってもよいでしょう。特に2人称単数形(eres)と3人称単数形(es)は語幹まで変化して、全く特殊な形となっています。他の部分はすべて【so】で始まっており、この共通点が記憶の手がかりになりますね。1人称単数形(soy)が【oy】で終わっていることにも注目しましょう。この点を頭の中でブックマークしておいてください、リンクする情報を次項で紹介します。

serは主語の属性・性質を表す時に用いられます。一例として、次のような表現ができます。

Yo soy japonés. (I am Japanese.)
Tú no eres español. (You aren’t Spanish.)
¿Él es estadounidense? (Is he American?)

国籍はserで表します。その他の用法については追ってご説明します。

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