活用について学ぶ前にまず、動詞の語形が2つの部分からなっていることに注目しましょう。
前項で取り上げたprepararが変化する様子をもう一度よく見てください。活用を受けても変化していない部分(語幹と呼ばれます)と、活用を受けて変化している部分(語尾と呼ばれます)との組み合わせでできているのがわかりますか。prepar‐の部分が語幹にあたり、‐o・-as・-a・-amos・-áis・-anの部分が語尾にあたります。
さて…スペイン語動詞の原形を見ていて何か気づくことはありませんか。ヒントは終わりの2文字です。例外なく【ar】または【er】または【ir】となっています。終わりの2文字のパターンが3種類、だから基本的な活用も3パターン。非常に明快です。語幹が変化せず語尾が規則的に変化する動詞(規則活用動詞と呼ばれます)については、この3パターンさえ覚えてしまえばそれでOK。少し気が楽になりますね。前項で少しふれたとおり、パターン度外視の変化をするアウトロー的動詞(不規則活用動詞と呼ばれます)もあるわけですが、まずは基本のパターンつまり規則活用動詞を攻略しましょう。
では【ar】で終わる動詞からです。このグループはar動詞と呼ばれます。前項で取り上げたprepararもこのグループに属しますが、ここでは別の動詞hablar(英語のspeakやtalkに相当)を活用してみましょう。
hablar「話す」
英語 | スペイン語 | hablar | 【ar】語尾 |
---|---|---|---|
I | yo | hablo | -o |
you | tú | hablas | -as |
he | él | habla | -a |
we | nosotros | hablamos | -amos |
you | vosotros | habláis | -áis |
they | ellos | hablan | -an |
語幹はhabl-ですね。語尾を見てください。prepararのそれと全く同じ変化をしています。これが【ar】で終わる規則活用動詞のパターンなのです。
前項でも少しふれましたが、活用に関しては、yo hablo・tú hablas・él habla…というふうに主格人称代名詞とセットで覚えてしまうのがコツ。ひたすら唱えるのみです。
hablarを使ってみましょう。次のような表現ができます。
Yo hablo japonés. (I speak Japanese.)
Tú no hablas español. (You don’t speak Spanish.)
¿Él habla inglés? (Does he speak English?)
対訳英文を見ていただくとわかるとおり、上記がスペイン語の肯定文・否定文・疑問文となります。否定文・疑問文で、doやdoesにあたる助動詞が使われていないことに注目してください。否定文はnoを動詞の前に挟むだけ、疑問文は疑問符をつけるだけ。素晴らしく直感的な言語だと思いませんか。